『ハトを知らない人々』

ハトを知らない人々と、ハトのちびと、旅人との出会いと旅立ちの物語です。

「食堂の仲間たち」

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 ハトは毎日仲間たちがいる食堂に行っては、日が暮れるまで一緒に過ごしていました。食堂の仲間の中には、町いちばんの美人さんもいましたし、町いちばんの勉強家もいました。食堂のおばさんはいつもおいしい料理をつくってくれたし、その息子はギターを弾きながら上手に歌を歌いました。また、となりに住んでいる子供たちも遊びに来ました。ハトは食堂の仲間たちと毎日歌ったり踊ったりして楽しみました。けれどもハトは心の奥でこう思っていました。

「どうしてこの人たちと私は姿かたちが違うのだろう。」

「私は上手く生まれなくてこんな姿をしているのだろうか。」

 人々に聞いても答えてくれませんでした。

 

誰に聞いてみてもみんな、

「別に俺たちはきにしちゃいないさ。ちびはちびじゃないか。一緒に楽しんで暮らそう」と言いました。ハトは瞬間なぐさめられましたが、どこかもやもやとした気持ちが離れませんでした。

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